脳転移を伴い急速に進行した粘表皮癌の1例

症例は59歳女性. 2000年12月胸背部痛および食思不振にて来院. 胸部X線写真上, 右中下肺野に異常陰影を認めた. 気管支鏡を施行したところ, 右底幹を塞ぐ形でポリープ様の腫瘤が見られた. 生検の病理組織では, 一部にPAS染色陽性の貯留物を認め, また核小体が明瞭な腫大した核を有し, 層状構造を呈する細胞集団が見られ, 粘表皮癌と診断した. 病期は, 遠隔転移として右大脳皮質後頭葉, 右頚部リンパ節および左膝の骨転移を認め, T4N2M1, stage IVと診断した. 全脳および左膝への放射線照射等を施行したが, 効果なく第43病日に死亡した....

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Published in気管支学 Vol. 24; no. 1; p. 65
Main Authors 今井直幸, 高橋孝輔, 小原央生, 渡辺篤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.01.2002
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Summary:症例は59歳女性. 2000年12月胸背部痛および食思不振にて来院. 胸部X線写真上, 右中下肺野に異常陰影を認めた. 気管支鏡を施行したところ, 右底幹を塞ぐ形でポリープ様の腫瘤が見られた. 生検の病理組織では, 一部にPAS染色陽性の貯留物を認め, また核小体が明瞭な腫大した核を有し, 層状構造を呈する細胞集団が見られ, 粘表皮癌と診断した. 病期は, 遠隔転移として右大脳皮質後頭葉, 右頚部リンパ節および左膝の骨転移を認め, T4N2M1, stage IVと診断した. 全脳および左膝への放射線照射等を施行したが, 効果なく第43病日に死亡した.
ISSN:0287-2137