体外循環用冷温水槽の清浄度の評価

「要旨」冷温水槽など水路回路を備える装置による感染症の可能性が指摘されたことから, 当院で使用している冷温水槽の清浄度を評価するため, テクノウッド社製冷温水槽HEU-300(R)の人工心肺前後の温水槽および冷水槽の清浄度について, キッコーマン社製ルミテスターPD-20(R), ルシパックPen-AQUA(R)を用いて, アデノシン三リン酸 (adenosine triphosphate : ATP) 値を測定した. 症例ごとに循環水を排水し, 装置内部を乾燥させ, 次回準備時に循環水を補充する管理方法では, 冷温水槽のATP値は症例前後で測定値の90%以上が500RLU以下であり, 循環水...

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Published in体外循環技術 Vol. 44; no. 4; pp. 398 - 402
Main Authors 大島弘之, 東條圭一, 古平聡, 武田章数, 有馬司, 海老根智代, 桑原紗衣, 宮地鑑
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本体外循環技術医学会 01.12.2017
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ISSN0912-2664

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Summary:「要旨」冷温水槽など水路回路を備える装置による感染症の可能性が指摘されたことから, 当院で使用している冷温水槽の清浄度を評価するため, テクノウッド社製冷温水槽HEU-300(R)の人工心肺前後の温水槽および冷水槽の清浄度について, キッコーマン社製ルミテスターPD-20(R), ルシパックPen-AQUA(R)を用いて, アデノシン三リン酸 (adenosine triphosphate : ATP) 値を測定した. 症例ごとに循環水を排水し, 装置内部を乾燥させ, 次回準備時に循環水を補充する管理方法では, 冷温水槽のATP値は症例前後で測定値の90%以上が500RLU以下であり, 循環水の排水・乾燥を行うことで, ATP値を低く維持できていることが示唆された. 冷温水槽を連続駆動させた場合は, 徐々にATP値の上昇を認め, 約350時間で500RLUを超えるATP値が検出された. 体外循環用冷温水槽の衛生管理は, 症例ごとに循環水を排水・乾燥させ, 次回準備時に新しい循環水を補充するのがよく, 使用頻度が多く十分な乾燥ができない場合には2週間程度に1度, メーカー推奨の洗浄方法で洗浄を行うなど, 各施設の冷温水槽の使用状況に合わせて, 管理方法を検討していくことが必要と考えられた.
ISSN:0912-2664