(I-3-6)分割嚥下を持続嚥下に変えられるか?
【目的】液体を連続嚥下する際には, 喉頭が挙上し喉頭前庭の閉鎖が持続するタイプ(持続型)と一嚥下毎に喉頭を上下させて喉頭前庭を開放するタイプ(分割型)が知られており, 後者の方が多いと言われている. 分割型は喉頭前庭の開閉を繰り返し持続型は喉頭前庭を閉鎖し続ける様式のため後者の方がより安全な嚥下方法と考えられる. しかし, 臨床的には分割型の例は容易には持続型に変えられない場合が多い. そこで本研究では, 喉頭を持続的に挙上させるMendelsohn手技を用いて, 分割型を持続型に変えることができるかを検討した. 【対象】分割型の健常人でMendelsohn手技を知らない10名(男性3名, 女...
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Published in | 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 10; no. 3; p. 309 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会
31.12.2006
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ISSN | 1343-8441 |
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Summary: | 【目的】液体を連続嚥下する際には, 喉頭が挙上し喉頭前庭の閉鎖が持続するタイプ(持続型)と一嚥下毎に喉頭を上下させて喉頭前庭を開放するタイプ(分割型)が知られており, 後者の方が多いと言われている. 分割型は喉頭前庭の開閉を繰り返し持続型は喉頭前庭を閉鎖し続ける様式のため後者の方がより安全な嚥下方法と考えられる. しかし, 臨床的には分割型の例は容易には持続型に変えられない場合が多い. そこで本研究では, 喉頭を持続的に挙上させるMendelsohn手技を用いて, 分割型を持続型に変えることができるかを検討した. 【対象】分割型の健常人でMendelsohn手技を知らない10名(男性3名, 女性7名)通常の口頭指示では持続型に変わらないことを確認した. 【方法】ビデオ嚥下内視鏡または嚥下造影を用いて介入前と介入後の嚥下様式の判定をした. 介入方法はまずMendelsohn手技を指導し, 次に習得したMendelsohn手技を用いて持続型の指導(個別に週1回)を行った. 【結果】Mendelsohn手技は7名が1回の指導で, 1名が2回, 2名が3回で習得した. 持続型習得までの指導回数は1~5回と差が見られたものの10名中10名が習得可能であった. Mendelsohn手技の指導が2~3回必要であった例は持続型の指導回数も多い傾向であった. 【考察】今回全例が指導により持続型の習得が可能であり今後誤嚥防止の手段として活用しうる可能性が示唆された. 習得過程に健常人で個人差を認めたことは, 障害者にはより大きな差異があることが考えられた. 持続型を獲得させる手段としてMendelsohn手技は使用できる可能性があると思われた. |
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ISSN: | 1343-8441 |