兵庫県における災害医療ロジスティクス資源調整体制の構築と活動内容

「要旨」 災害医療ロジスティクスは, ライフラインなどが制約される被災地で, 災害医療チームが能力を発揮するために不可欠である. 本稿では, 医療資源の供給側である自治体と, 受け手側である医療チームや医療機関との災害医療ロジスティクス資源調整体制についての検討組織の設置と対応項目の洗い出しについて, 兵庫県の取り組み事例を報告する. 兵庫県では, 2004年に兵庫県災害救急医療システム運営協議会が設置され, 2017年にその下部組織として兵庫県ロジスティクス作業部会が設置された. 兵庫県ロジスティクス作業部会は, 2018年に災害医療ロジスティクスで対応すべき項目について洗い出しを行った....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published inJapanese Journal of Disaster Medicine Vol. 29; no. 3; pp. 230 - 236
Main Authors 中田正明, 中山伸一, 紅谷昇平, 安藤和佳子, 安部史生, 宮安孝行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本災害医学会 31.12.2024
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「要旨」 災害医療ロジスティクスは, ライフラインなどが制約される被災地で, 災害医療チームが能力を発揮するために不可欠である. 本稿では, 医療資源の供給側である自治体と, 受け手側である医療チームや医療機関との災害医療ロジスティクス資源調整体制についての検討組織の設置と対応項目の洗い出しについて, 兵庫県の取り組み事例を報告する. 兵庫県では, 2004年に兵庫県災害救急医療システム運営協議会が設置され, 2017年にその下部組織として兵庫県ロジスティクス作業部会が設置された. 兵庫県ロジスティクス作業部会は, 2018年に災害医療ロジスティクスで対応すべき項目について洗い出しを行った. さらに, その項目についての防災協定の締結状況を確認し, 協定の見直しや新規締結の必要性について検討した. これら兵庫県の取り組み事例は, 災害医療ロジスティクス従事者で構成する検討組織の重要性を示しており, ほかの都道府県の参考として有用である.
ISSN:2189-4035