簡易懸濁法を用いて在宅でオシメルチニブを経管投与した非小細胞肺癌の一例

「緒言」近年, 非小細胞肺癌のドライバー遺伝子を標的とした多くの経口分子標的抗がん薬が開発され, 外来診療で使用される機会が増加している. オシメルチニブ錠(タグリッソ(R))は, 上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor: EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬であり, EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌の治療に用いられる. また, 日本肺癌学会の肺癌診療ガイドラインでは, EGFR遺伝子変異陽性肺癌患者の一次治療として, オシメルチニブ錠の単剤療法が推奨されている. 肺癌は脳に転移することが多く, その影響で嚥下障害のある患者も多い. その場合, オ...

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Published in医薬品相互作用研究 Vol. 48; no. 1; pp. 18 - 23
Main Authors 水口敦史, 菊地正史, 成田佳奈, 宮内栄作, 眞野成康
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 医薬品相互作用研究会 30.06.2024
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ISSN0385-5015

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Summary:「緒言」近年, 非小細胞肺癌のドライバー遺伝子を標的とした多くの経口分子標的抗がん薬が開発され, 外来診療で使用される機会が増加している. オシメルチニブ錠(タグリッソ(R))は, 上皮成長因子受容体(epidermal growth factor receptor: EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬であり, EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌の治療に用いられる. また, 日本肺癌学会の肺癌診療ガイドラインでは, EGFR遺伝子変異陽性肺癌患者の一次治療として, オシメルチニブ錠の単剤療法が推奨されている. 肺癌は脳に転移することが多く, その影響で嚥下障害のある患者も多い. その場合, オシメルチニブ錠などの経口分子標的抗がん薬の投与方法や投与経路に工夫が必要となる. その手法の一つとして, 簡易懸濁法が注目されている.
ISSN:0385-5015