4種混合ワクチンおよびHibワクチンで初回免疫を行った児における5種混合ワクチン追加免疫の免疫原性と安全性

「要旨」「目的」 : 5種混合ワクチン (5混) の定期接種化に伴い, 4種混合ワクチンおよびHibワクチン (4混+Hib) で初回免疫した児における5混追加免疫後の免疫原性と安全性を確認し, 互換性を評価する. 「対象および方法」 : 4混+Hibで初回免疫した児を対象に, 20名ずつ5混または4混+Hibを追加免疫し, 追加免疫前後でのHibに対するPRP抗体価と副反応を確認した. 「結果」 : 5混群と4混+Hib群ともに追加免疫後のPRPに対する抗体保有率 (1μg/mL以上) は100.0%に達した. 追加免疫前後の幾何平均抗体価 (μg/mL) は5混群が0.7374から69.8...

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Published in新薬と臨牀 Vol. 73; no. 7; pp. 643 - 653
Main Authors 杉野茂人, 杉之原佳子, 吉本寿美, 水元裕二, 原口洋吾, 江上公康, 池澤滋, 北野昭人, 中野宏俊, 松岡睦美, 宇野信吾
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 医薬情報研究所 10.07.2024
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ISSN0559-8672

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Summary:「要旨」「目的」 : 5種混合ワクチン (5混) の定期接種化に伴い, 4種混合ワクチンおよびHibワクチン (4混+Hib) で初回免疫した児における5混追加免疫後の免疫原性と安全性を確認し, 互換性を評価する. 「対象および方法」 : 4混+Hibで初回免疫した児を対象に, 20名ずつ5混または4混+Hibを追加免疫し, 追加免疫前後でのHibに対するPRP抗体価と副反応を確認した. 「結果」 : 5混群と4混+Hib群ともに追加免疫後のPRPに対する抗体保有率 (1μg/mL以上) は100.0%に達した. 追加免疫前後の幾何平均抗体価 (μg/mL) は5混群が0.7374から69.81に, 4混+Hib群が0.9073から51.11に上昇し, 両群の95%信頼区間は重なった. また, 重篤な副反応の発現はなく, 特定局所および特定全身副反応の発現割合は, 5混群が30.0%および10.0%, 4混+Hib群が40.0%および15.0%であった. 「結論」 : 複数回接種が必要なワクチンは同一ワクチンでの完遂が望ましいが, 4混+Hibで初回免疫を行った児において追加免疫で5混へ切り替えても免疫原性および安全性に特筆すべき差はみられず, 5混での追加免疫は有用であることが示唆された.
ISSN:0559-8672