外傷学における頭部外傷の位置づけ

「はじめに」頭部外傷は外傷の中でも頻度や死亡率が高く, 外傷学においては重要な位置付けがなされている. 近年, 外傷診療の質の向上や「防ぎ得る外傷死」の回避のために救急医と脳神経外科医が協力して様々な体制が構築されつつある. また, 高齢化社会を反映して頭部外傷を含む高齢者外傷が急増している. 高齢者外傷では年齢による身体的, 生理的脆弱性だけではなく, 多臓器疾患を既往に抱えていることが多いため, 若年者とは異なった対応が必要となる. 「1. 外傷における頭部外傷の疫学」「・外傷の疫学」厚生労働省の「平成29年 (2017) 患者調査の概況」では, 調査日現在において, 継続的に医療を受けて...

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Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 16; no. 2; pp. 105 - 107
Main Author 横田裕行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 01.04.2020
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Summary:「はじめに」頭部外傷は外傷の中でも頻度や死亡率が高く, 外傷学においては重要な位置付けがなされている. 近年, 外傷診療の質の向上や「防ぎ得る外傷死」の回避のために救急医と脳神経外科医が協力して様々な体制が構築されつつある. また, 高齢化社会を反映して頭部外傷を含む高齢者外傷が急増している. 高齢者外傷では年齢による身体的, 生理的脆弱性だけではなく, 多臓器疾患を既往に抱えていることが多いため, 若年者とは異なった対応が必要となる. 「1. 外傷における頭部外傷の疫学」「・外傷の疫学」厚生労働省の「平成29年 (2017) 患者調査の概況」では, 調査日現在において, 継続的に医療を受けている推計患者数 (調査日には医療施設で受療していない者を含む.) を公表している (https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/17/index. html) .
ISSN:1349-8975