事業所に勤務する男性従業員の歯科受療行動に関する研究

目的:う蝕, 歯周病ともに有病率が高い事業所において, 状況を改善するために歯科医院への受診を促すことが必要と考え, 受療行動について調査を行った. 対象と方法:某事業所の歯科特殊健康診断を受診した男性従業員100名を対象とした. 1名の歯科医師が歯牙酸蝕症, う蝕およびCPIの診査を行った. また, 歯科受診についての質問紙調査を行った. 結果および考察:過去1年以内に歯科受診をしたかどうかによりクロス集計を行ったところ, かかりつけの歯科医院がある, 除石の経験がある, 除石を受けて良かったなどに有意差が認められ, これらの要因が受診を促すと考えられた. しかし受診したグループでも, う蝕...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 54; no. 5; pp. 590 - 591
Main Author 森下真行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔衛生学会 30.10.2004
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ISSN0023-2831

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Summary:目的:う蝕, 歯周病ともに有病率が高い事業所において, 状況を改善するために歯科医院への受診を促すことが必要と考え, 受療行動について調査を行った. 対象と方法:某事業所の歯科特殊健康診断を受診した男性従業員100名を対象とした. 1名の歯科医師が歯牙酸蝕症, う蝕およびCPIの診査を行った. また, 歯科受診についての質問紙調査を行った. 結果および考察:過去1年以内に歯科受診をしたかどうかによりクロス集計を行ったところ, かかりつけの歯科医院がある, 除石の経験がある, 除石を受けて良かったなどに有意差が認められ, これらの要因が受診を促すと考えられた. しかし受診したグループでも, う蝕有病率, 歯周病の罹患状況に差はなかった. 一方, 定期健診を受けているグループではう蝕有病率が有意に低く, CPIの評価も良好であった. したがって, 歯科医院での診療内容は, 患者の口腔内状況だけでなく受療行動にも影響を与えることが示唆された.
ISSN:0023-2831