貢献するリサーチとは? 学術人としての生涯命題

研究活動は, 大学教官, 大学院生, 研修医などに対して例外なく求められている学術活動であるが, しばしばその意味を見失うことも多い. 個人あるいはグループ, 組織が, 研究活動を行う際, 自らの立ち位置を見失うことも多い. 研究がプロフェッショナル(つまり, それを職として, そのすべてを把握したうえで, 誰よりも理解しておく立場にあること)な活動であるべきにもかかわらず. 本論文は, 先に行われた特別講義を基にした総説として, リサーチとは何かについて考え, 特に以下の3点の要約を述べる. キーワードは「貢献」である. 1)アイデアからパブリケーションに至る考えかた. 2)不可欠なクリティ...

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Published in神奈川歯学 Vol. 58; no. 2; pp. 124 - 127
Main Author 小川隆広
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 31.12.2023
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ISSN0454-8302

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Summary:研究活動は, 大学教官, 大学院生, 研修医などに対して例外なく求められている学術活動であるが, しばしばその意味を見失うことも多い. 個人あるいはグループ, 組織が, 研究活動を行う際, 自らの立ち位置を見失うことも多い. 研究がプロフェッショナル(つまり, それを職として, そのすべてを把握したうえで, 誰よりも理解しておく立場にあること)な活動であるべきにもかかわらず. 本論文は, 先に行われた特別講義を基にした総説として, リサーチとは何かについて考え, 特に以下の3点の要約を述べる. キーワードは「貢献」である. 1)アイデアからパブリケーションに至る考えかた. 2)不可欠なクリティカルレビューの力. 3)世界に貢献できる論文の要素とは. 「1. アイデアからパブリケーションに至る考えかた 研究はなぜ行われるのか. 」研究は, 表1に示す6つの目的のために行われることを理解する必要がある. ここで, 後半の3つは難関であるが, 実はそれらが, 本来の研究の最大の目的である.
ISSN:0454-8302