MassCK-MB測定の有用性

目的:現在広く利用されている免疫阻害法を用いたCK-MB活性値測定は血中にCK-BBもしくはマクロCKが存在した場合プラス誤差を生じるという欠点をもつ. 今回私たちは, この問題を解決したCK-MBの蛋白量(MassCK-MB)を直接測定する方法を日常検査に導入するにあたり, その有用性を検討したので報告する. 対象:機器:DimesionRXL(デイドベーリング), 原理:サンドイッチ酵素免疫法方法:当院患者検体を免疫阻害法, MassCK-MB測定法, 電気泳動法で測定. 電気泳動法で得られたCK-MB分画比率をCK総活性値に乗じ算出されたCK-MB活性値を基準とし免疫阻害法, Mass法...

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Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 70; no. 6; p. 589
Main Authors 日ノ澤進一郎, 野本剛史, 里村克章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 15.12.2003
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ISSN1345-4676

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Summary:目的:現在広く利用されている免疫阻害法を用いたCK-MB活性値測定は血中にCK-BBもしくはマクロCKが存在した場合プラス誤差を生じるという欠点をもつ. 今回私たちは, この問題を解決したCK-MBの蛋白量(MassCK-MB)を直接測定する方法を日常検査に導入するにあたり, その有用性を検討したので報告する. 対象:機器:DimesionRXL(デイドベーリング), 原理:サンドイッチ酵素免疫法方法:当院患者検体を免疫阻害法, MassCK-MB測定法, 電気泳動法で測定. 電気泳動法で得られたCK-MB分画比率をCK総活性値に乗じ算出されたCK-MB活性値を基準とし免疫阻害法, Mass法と相関性を比較した結果:マクロCKが存在する検体2件を含む16検体で検討した. CK総活性範囲は37から2, 491IU. 免疫阻害法との相関係数は0411, y=0. 6599x+36. 41. Mass法との相関係数は0. 971, y=0. 4117x-0. 2238. 考察:MassCK-MB測定法は免疫阻害法に比べ電気泳動法との相関性が高いことが確認できた. マクロCKの存在する検体は免疫阻害法によるCK-MB活性値がCK総活性値より高かったがMassCK-MB法ではそのような誤差はなかった. このことからMass法はCK-MB活性測定には極めて有用であり今後, 主流になる測定法と考える.
ISSN:1345-4676