エナメル質の脱灰におよぼす0.1M乳酸のpHならびに作用時間の影響
「緒言」エナメル質の脱灰には, 軟化エナメル質と呼ばれる状態, 表層下脱灰, さらに実質欠損を有する脱灰が存在する. 軟化エナメル質は, 比較的初期の齲蝕病態であり, 表層下脱灰は, さらに脱灰が進行することにより発現するとされている1,2). 一方, 表層を削除したウシ・エナメル質を用いた脱灰実験においては, 脱灰液中にフッ素が存在する場合に表層下脱灰が発現し, 存在しない場合には軟化エナメル質が発現することが報告されている3). これら, エナメル質の脱灰の程度は再石灰化の程度に影響を与えるとする報告4)もあり, 脱灰・再石灰化の実験には, エナメル質の脱灰条件を詳細に検討する必要がある....
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Published in | 口腔衛生学会雑誌 Vol. 40; no. 5; pp. 671 - 677 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本口腔衛生学会
01.10.1990
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ISSN | 0023-2831 |
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Summary: | 「緒言」エナメル質の脱灰には, 軟化エナメル質と呼ばれる状態, 表層下脱灰, さらに実質欠損を有する脱灰が存在する. 軟化エナメル質は, 比較的初期の齲蝕病態であり, 表層下脱灰は, さらに脱灰が進行することにより発現するとされている1,2). 一方, 表層を削除したウシ・エナメル質を用いた脱灰実験においては, 脱灰液中にフッ素が存在する場合に表層下脱灰が発現し, 存在しない場合には軟化エナメル質が発現することが報告されている3). これら, エナメル質の脱灰の程度は再石灰化の程度に影響を与えるとする報告4)もあり, 脱灰・再石灰化の実験には, エナメル質の脱灰条件を詳細に検討する必要がある. エナメル質の脱灰については, ウシ・エナメル質を用いたin vitroにおける研究3,6), またヒト・エナメル質を用いたin vitro 1,7,8)およびin vivoにおける研究2,9)が報告されている. |
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ISSN: | 0023-2831 |