外国人技能実習生受け入れ監理団体における結核と潜在性結核感染症に関する意識および健診体制に関する調査

要旨: 〔目的〕監理団体を対象に, 結核と潜在性結核感染症(LTBI)に関する意識, および技能実習生に対する結核健診の実態の調査を行った. 〔方法〕外国人技能実習機構のホームページにおいて掲載されていた2,103の一般および特定監理団体に対して, オンラインアンケート調査を実施した. 〔結果〕250団体から回答を得た. LTBIに関し, 感染と発病の違いや, LTBIの人は症状がないこと, 他人にうつす心配がないこと, 健常者と同様に社会生活が送れることなどについて正答率が低かった. 特定監理団体と比較して一般監理団体のほうが正答率が高く, 「わからない」と答えた割合が低かった. 96.8%...

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Published in結核 Vol. 97; no. 5; pp. 249 - 255
Main Authors 河津里沙, 内村和広, 大角晃弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本結核・非結核性抗酸菌症学会 25.07.2022
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ISSN0022-9776

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Summary:要旨: 〔目的〕監理団体を対象に, 結核と潜在性結核感染症(LTBI)に関する意識, および技能実習生に対する結核健診の実態の調査を行った. 〔方法〕外国人技能実習機構のホームページにおいて掲載されていた2,103の一般および特定監理団体に対して, オンラインアンケート調査を実施した. 〔結果〕250団体から回答を得た. LTBIに関し, 感染と発病の違いや, LTBIの人は症状がないこと, 他人にうつす心配がないこと, 健常者と同様に社会生活が送れることなどについて正答率が低かった. 特定監理団体と比較して一般監理団体のほうが正答率が高く, 「わからない」と答えた割合が低かった. 96.8%が技能実習生に対して, 入国前に健康診断を実施していたが, 健康診断の項目に結核健診が含まれていると答えたのは55.8%であった. また特定監理団体と比較して, 一般監理団体のほうが結核健診とLTBIスクリーニングともに, 実施率が高かった. 〔考察〕監理団体に対して結核とLTBIに関する正確な知識をもってもらうことは, 技能実習生に対する不適切な雇い止めや自宅待機命令など, 労務トラブルの防止の観点からも重要である. 今後, いかに本調査に「参加しなかった」監理団体にアプローチしていくかを模索する必要がある.
ISSN:0022-9776