陳旧性心筋梗塞患者における心臓死に及ぼすI群抗不整脈薬の影響
抗不整脈薬の心筋梗塞の予後に及ぼす影響を知る目的で, 昭和61年から平成6年まで当科にて加療した陳旧性心筋梗塞1,129例をI群抗不整脈薬服用群(ジソピラマイド, アプリンジン, メキシレチン, プロパフェノン)119例と非服用群1,010例に分け, 心臓死の頻度をretrospectiveに集計した. 心臓死は服用群では13例(10.9%)にみられたが非服用群では36例(3.6%)のみで, 服用群で有意に多かった(p<0.01). 心室性不整脈がLown IV度以上の症例のみについて集計すると, 服用群では55例中9例(16.4%)に心臓死がみられたが非服用群105例では8例(7.6%)のみ...
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Published in | 心臓 Vol. 28; no. 9; pp. 719 - 725 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
丸善
15.09.1996
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Summary: | 抗不整脈薬の心筋梗塞の予後に及ぼす影響を知る目的で, 昭和61年から平成6年まで当科にて加療した陳旧性心筋梗塞1,129例をI群抗不整脈薬服用群(ジソピラマイド, アプリンジン, メキシレチン, プロパフェノン)119例と非服用群1,010例に分け, 心臓死の頻度をretrospectiveに集計した. 心臓死は服用群では13例(10.9%)にみられたが非服用群では36例(3.6%)のみで, 服用群で有意に多かった(p<0.01). 心室性不整脈がLown IV度以上の症例のみについて集計すると, 服用群では55例中9例(16.4%)に心臓死がみられたが非服用群105例では8例(7.6%)のみであり, 服用群で心臓死が多い傾向があった. また多変量解析の結果, 抗不整脈薬服用は心臓死に対して独立した有意な危険因子であり, 心臓死の内訳では突然死に対する独立した有意な危険因子であった. この結果は欧米でのprospectiveな成績と同様であった. 陳旧性心筋梗塞に対する本薬剤の使用は十分注意して行わなければならないと結論された. |
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ISSN: | 0586-4488 |