CPD濃厚赤血球沈層の経時変化について

昨年の本学会で, ACD採血の濃厚赤血球と全血の保存中の変化について, その比較検討を行った1). 成分製剤の製造が, マルティプラスチックバッグの使用により, Cl・sed-Systemで行われている現在, 細菌汚染の問題が解決されていることも考えあわせ, 濃厚赤血球の利用が有効である事を報告した. 厚生省の審議会も認め, 近く医療用に使用可能になろうとしている. 一方, 保存液も, ACDからCPDへ移行しつつあり, 成分輸血の観点から, CPD濃厚赤血球の有効性が問題となる. そこで, 今回は, CPD採血の場合について, 濃厚赤血球の保存中の化学的変化について報告する. 実験材料及び方...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 24; no. 3/4; pp. 114 - 116
Main Authors 笹川滋, 野中登美子, 三富斎忠, 徳永栄一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.12.1978
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ISSN0546-1448

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Summary:昨年の本学会で, ACD採血の濃厚赤血球と全血の保存中の変化について, その比較検討を行った1). 成分製剤の製造が, マルティプラスチックバッグの使用により, Cl・sed-Systemで行われている現在, 細菌汚染の問題が解決されていることも考えあわせ, 濃厚赤血球の利用が有効である事を報告した. 厚生省の審議会も認め, 近く医療用に使用可能になろうとしている. 一方, 保存液も, ACDからCPDへ移行しつつあり, 成分輸血の観点から, CPD濃厚赤血球の有効性が問題となる. そこで, 今回は, CPD採血の場合について, 濃厚赤血球の保存中の化学的変化について報告する. 実験材料及び方法:CPD約30ml入ダブルプラスチックバッグに, 健康人より200ml採血し, 直ちに約40%の血漿を除去し, 赤血球数約700万/立法ミリメートルになるように調整した. 4℃で保存し, 一定期間ごとに実験に供した. 次の(2)~(6)の実験には, 赤血球を溶血させた後, 直ちに加熱した除タンパク液について行なった.
ISSN:0546-1448