脊髄疾患の術中超音波所見

1.はじめに 脊髄疾患の画像診断には近年めざましいものがあり, 特にMRIの発達により一層の飛躍をみることが出来た. しかしわれわれ外科医が望むものは, これらの画像診断をもとにしてより少ない侵襲でより効果的な手術をすることである. 1983年以降, 脊髄の手術に際しても術中超音波装置を用いて術中のreal timeの画像を得ることにより, 病変部位の確認が可能となってきている. われわれはこれまでに95例の脊髄疾患に対して術中超音波診断(Intraoperative spinal sonography, 以下IOSS)を行なってきたので, それらの疾患におけるIOSS所見について検討する....

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Published inNeurosonology Vol. 5; no. 1/2; pp. 3 - 8
Main Authors 今村博幸, 岩崎喜信, 井須豊彦, 阿部弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳神経超音波学会 01.08.1992
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ISSN0917-074X

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Summary:1.はじめに 脊髄疾患の画像診断には近年めざましいものがあり, 特にMRIの発達により一層の飛躍をみることが出来た. しかしわれわれ外科医が望むものは, これらの画像診断をもとにしてより少ない侵襲でより効果的な手術をすることである. 1983年以降, 脊髄の手術に際しても術中超音波装置を用いて術中のreal timeの画像を得ることにより, 病変部位の確認が可能となってきている. われわれはこれまでに95例の脊髄疾患に対して術中超音波診断(Intraoperative spinal sonography, 以下IOSS)を行なってきたので, それらの疾患におけるIOSS所見について検討する. 2.対象および方法 対象は脊髄腫瘍44例, 脊髄空洞症37例, 脊髄硬膜内くも膜 胞6例を含む脊髄疾患95例である. 脊髄腫瘍の内訳は硬膜内髄外腫瘍18例, 髄内腫瘍26例である. また脊髄空洞症の原因としてはキアリ奇形を伴うもの18例, 癒着性くも膜炎によるもの12例, 外傷によるもの5例である(Table 1).
ISSN:0917-074X