自家骨軟骨移植術後(モザイクプラスティ)の理学療法-筋力強化練習についての検討

近年, 膝関節軟骨損傷部位を硝子軟骨で修復する目的で自家骨軟骨移植術(Mosaicplasty)が行われているが, 術後理学療法についての詳細な報告はされていない. そこで症例を通し自家骨軟骨移植術後の理学療法, 特に筋力強化練習について検討した. 本症例は広範囲の軟骨損傷であったが移植軟骨部位への負担に注意しながら筋力強化練習・荷重練習を行うことにより術後20週でスポーツ復帰が可能となった. 自家骨軟骨移植術は症例により損傷部位・範囲や移植部位が異なる. また膝靭帯再建術や半月板損傷などの他手術と併用されることも多いため一律な理学療法プログラムを行うことはできない. 軟骨移植部位の膝関節接触...

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Published in理学療法学 Vol. 34; no. 7; pp. 302 - 307
Main Authors 岡徹, 黒木裕士, 水野泰行, 古川泰三, 中川泰彰
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 20.12.2007
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Summary:近年, 膝関節軟骨損傷部位を硝子軟骨で修復する目的で自家骨軟骨移植術(Mosaicplasty)が行われているが, 術後理学療法についての詳細な報告はされていない. そこで症例を通し自家骨軟骨移植術後の理学療法, 特に筋力強化練習について検討した. 本症例は広範囲の軟骨損傷であったが移植軟骨部位への負担に注意しながら筋力強化練習・荷重練習を行うことにより術後20週でスポーツ復帰が可能となった. 自家骨軟骨移植術は症例により損傷部位・範囲や移植部位が異なる. また膝靭帯再建術や半月板損傷などの他手術と併用されることも多いため一律な理学療法プログラムを行うことはできない. 軟骨移植部位の膝関節接触面の位置・圧迫力を推察し運動角度や荷重時期を注意しながらプログラムを立案する工夫が重要である. 「はじめに」近年, 膝関節軟骨損傷部位を硝子軟骨で修復する目的で自家骨軟骨移植術(Mosaicplasty)1-8)が行われている.
ISSN:0289-3770