巨大扁桃結石の1症例

口蓋扁桃摘出術が必要であった巨大な扁桃結石の一例を報告する. 症例は35歳男性で, 数年前から咽頭違和感を感じていた. 右扁桃上極から前口蓋弓にかけて圧痛のない拇指頭大の硬い腫瘤を触知し, CTで右口蓋扁桃の内部に9×19mm大の結石が確認された. 外来で摘出を試みたが摘出できず, 口蓋扁桃摘出術を施行した. 病理組織の結果は慢性扁桃炎の所見で, 結石の組成成分分析ではリン酸カルシウムが98%以上を占めていた. 術後経過良好で術後8日目に退院となった. 咽頭違和感は消失し, 術後11ヵ月を経て扁桃結石の再発はない. 小さな扁桃結石は稀ではないが, 本症例のように巨大になるものがあり, その場合...

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Published in口腔・咽頭科 Vol. 28; no. 2; pp. 155 - 158
Main Authors 田畑貴久, 高橋里沙, 武永芙美子, 北村拓朗, 花栗誠, 鈴木秀明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔・咽頭科学会 10.06.2015
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ISSN0917-5105

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Summary:口蓋扁桃摘出術が必要であった巨大な扁桃結石の一例を報告する. 症例は35歳男性で, 数年前から咽頭違和感を感じていた. 右扁桃上極から前口蓋弓にかけて圧痛のない拇指頭大の硬い腫瘤を触知し, CTで右口蓋扁桃の内部に9×19mm大の結石が確認された. 外来で摘出を試みたが摘出できず, 口蓋扁桃摘出術を施行した. 病理組織の結果は慢性扁桃炎の所見で, 結石の組成成分分析ではリン酸カルシウムが98%以上を占めていた. 術後経過良好で術後8日目に退院となった. 咽頭違和感は消失し, 術後11ヵ月を経て扁桃結石の再発はない. 小さな扁桃結石は稀ではないが, 本症例のように巨大になるものがあり, その場合でも軽微な症状にとどまることも少なくない.
ISSN:0917-5105