硬性気管支鏡は必要か

近年flexible bronchoscopeの開発・改良と普及に伴い, 多くの気道疾患の診断・処置が可能となり, 患者に福音をもたらしていることを是認するものである. しかし一方, 今日なお硬性気管支鏡もまた有用であり, その必要性のあることを, 1.局所構造面, 2.診断面, 3.治療面 の3点から, 日ごろ考えていることを述べ, 特別発言とする. なお, ここで硬性気管支鏡というのはopen rigid scopeを指し, 硬性のglassfiber telescopeは念頭にないことをお断りする. 気管・気管支の局所構造面 気管・気管支は, 人体のなかでも管空器官という特殊な臓器である...

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Published in気管支学 Vol. 16; no. 8; pp. 882 - 883
Main Author 日野原正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 01.12.1994
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ISSN0287-2137

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Summary:近年flexible bronchoscopeの開発・改良と普及に伴い, 多くの気道疾患の診断・処置が可能となり, 患者に福音をもたらしていることを是認するものである. しかし一方, 今日なお硬性気管支鏡もまた有用であり, その必要性のあることを, 1.局所構造面, 2.診断面, 3.治療面 の3点から, 日ごろ考えていることを述べ, 特別発言とする. なお, ここで硬性気管支鏡というのはopen rigid scopeを指し, 硬性のglassfiber telescopeは念頭にないことをお断りする. 気管・気管支の局所構造面 気管・気管支は, 人体のなかでも管空器官という特殊な臓器であることは周知のことである. 気道がなぜ管空なのかを考えれば, ここにnon-open tubeを長時間挿入・留置することは, ことに幼小児ではair wayの点から危険である. また成人にあっても, 全身状態とくに呼吸不全のある場合も同様である.
ISSN:0287-2137