リンゴ花粉症における血清学的研究 - 特にRadioallergosorbent test (RAST) による特異的IgE抗体の検討

リンゴ花粉症における特異的IgE抗体をRASTを用いて測定し, 以下の結論を得た. 1. 本疾患者血清中にリンゴ花粉特異的IgE抗体が存在することを証明し得た. 2. RAST値の平均は, 1.511±0.195(Class分類), 49.57±7.56%(陽性率), 5.76±0.61(%count)であった. 3. RAST値は季節的変動が少なく, 非発作期の測定成績からも本性が診断可能である. 4. RAST陽性率と皮膚反応および鼻粘膜誘発反応とは相関した. 5. リンゴ花粉は品種間はもちろんのこと, バラを除く他のばら科花粉すなわちナシ, モモ, サクラ, スモモの花粉とも共通抗原性の...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 90; no. 1; pp. 71 - 80
Main Authors 永井政男, 朴沢二郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本耳鼻咽喉科学会 20.01.1987
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Summary:リンゴ花粉症における特異的IgE抗体をRASTを用いて測定し, 以下の結論を得た. 1. 本疾患者血清中にリンゴ花粉特異的IgE抗体が存在することを証明し得た. 2. RAST値の平均は, 1.511±0.195(Class分類), 49.57±7.56%(陽性率), 5.76±0.61(%count)であった. 3. RAST値は季節的変動が少なく, 非発作期の測定成績からも本性が診断可能である. 4. RAST陽性率と皮膚反応および鼻粘膜誘発反応とは相関した. 5. リンゴ花粉は品種間はもちろんのこと, バラを除く他のばら科花粉すなわちナシ, モモ, サクラ, スモモの花粉とも共通抗原性の存在することが示唆された.
ISSN:0030-6622