耳鼻咽喉科・頭頸部外科の救急医療-耳痛
「1. はじめに」耳鼻咽喉科の救急疾患外来で診察していると, 耳痛を訴え受診する患者は多い. 特に夜間の救急診療所で診察を行っていると患者のほとんどが特に乳幼児では耳痛を訴え受診する急性中耳炎1)である. しかしあまりにも既成概念で診察をすると大きな誤りをおかすことにもなりかねない. 「2. 耳痛を訴え受診した患者の取り扱い」耳痛を訴え受診した患者には問診で耳痛の部分はどこかを問いただすことが重要である. すなわち耳介に近いところか, 外耳道の深部か, 乳様突起か, 頸部に近いところかを聞き出す. 次に視診で耳介の周囲, 頸部, 外耳道, 鼓膜の所見を得る. また鼓膜の所見を検索するには手術用...
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Published in | 日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 109; no. 2; pp. 124 - 127 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本耳鼻咽喉科学会
20.02.2006
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ISSN | 0030-6622 |
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Summary: | 「1. はじめに」耳鼻咽喉科の救急疾患外来で診察していると, 耳痛を訴え受診する患者は多い. 特に夜間の救急診療所で診察を行っていると患者のほとんどが特に乳幼児では耳痛を訴え受診する急性中耳炎1)である. しかしあまりにも既成概念で診察をすると大きな誤りをおかすことにもなりかねない. 「2. 耳痛を訴え受診した患者の取り扱い」耳痛を訴え受診した患者には問診で耳痛の部分はどこかを問いただすことが重要である. すなわち耳介に近いところか, 外耳道の深部か, 乳様突起か, 頸部に近いところかを聞き出す. 次に視診で耳介の周囲, 頸部, 外耳道, 鼓膜の所見を得る. また鼓膜の所見を検索するには手術用の顕微鏡, 内視鏡を用いて外耳道, 鼓膜を詳細に診察する. さらに耳介, 外耳道, 中耳腔の分布する知覚神経2)の把握は病態の理解に有用である. 耳介の前面は三叉神経, 後面は頸神経(C2, C3)が分布している. 外耳道の前半分は三叉神経, 鼓膜, 外耳道後半分は迷走神経が分布している. 中耳腔, 乳様突起は舌咽神経が分布している(図1). |
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ISSN: | 0030-6622 |