STIR法による全身MRIで異常所見を認めたホジキン病の1例

症例は57歳男性, 右頸部リンパ節腫大で初発したホジキン病である. 病期診断法として全身CT, Gaシンチ, 胃内視鏡, 胸骨骨髄穿刺を施行したが異常なく, IA期と診断した. マントル照射をおこないリンパ節腫大は消失したが, 治療中も可溶性IL2レセプターが異常高値を示すため, 全身MRIを施行したところ, 腰椎に異常な高信号が多発しており骨髄浸潤を疑った. 放射線治療終了後に施行したFDG-PET検査でも, MRIに一致した椎体への異常集積と脾臓へ集積増加を認めた. 腸骨からの骨髄生検では明らかな浸潤は証明されなかったが, 不明熱があり, CTで脾腫が進行していることからホジキン病の再燃と...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 52; no. 3; p. 223
Main Authors 玉木義雄, 樋口啓子, 塩谷真理子, 白須昌代, 堀越浩幸, 島野俊一, 村山佳代子, 田中陽子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.05.2002
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ISSN1343-2826

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Summary:症例は57歳男性, 右頸部リンパ節腫大で初発したホジキン病である. 病期診断法として全身CT, Gaシンチ, 胃内視鏡, 胸骨骨髄穿刺を施行したが異常なく, IA期と診断した. マントル照射をおこないリンパ節腫大は消失したが, 治療中も可溶性IL2レセプターが異常高値を示すため, 全身MRIを施行したところ, 腰椎に異常な高信号が多発しており骨髄浸潤を疑った. 放射線治療終了後に施行したFDG-PET検査でも, MRIに一致した椎体への異常集積と脾臓へ集積増加を認めた. 腸骨からの骨髄生検では明らかな浸潤は証明されなかったが, 不明熱があり, CTで脾腫が進行していることからホジキン病の再燃と診断しABVD療法を開始した. STIR法による全身MRIは, 骨髄浸潤が疑われる悪性リンパ腫では有用な検査法となる可能性が示唆された.
ISSN:1343-2826