脳腫瘍由来の三叉神経痛は知覚低下を伴うのか-腫瘍由来の三叉神経痛患者7症例の定量的感覚閾値検査についての検討
三叉神経痛は顔面領域に生じる激しい疼痛を症状とする疾患であるが, いまだその発症機序や病態については明らかでない点も多く残されている. 三叉神経痛の数%は脳腫瘍に由来するといわれ1~4), 鑑別は重要である. 一般に脳腫瘍に由来する三叉神経痛の特徴としては, その他の脳神経の随伴症状や当該領域の知覚異常が挙げられる5~7). なかでも当該領域の知覚異常は鑑別診断において重要な所見とされる. 本検討ではその知覚異常を客観的に評価はできないか明らかにするべく, 脳腫瘍に由来の症候性三叉神経痛7症例について, その他の脳神経随伴症状と定量的感覚検査を施行し, 検討した. 研究対象 平成11年7月から...
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Published in | PAIN RESEARCH Vol. 20; no. 1; pp. 9 - 14 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本疼痛学会
28.02.2005
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ISSN | 0915-8588 |
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Summary: | 三叉神経痛は顔面領域に生じる激しい疼痛を症状とする疾患であるが, いまだその発症機序や病態については明らかでない点も多く残されている. 三叉神経痛の数%は脳腫瘍に由来するといわれ1~4), 鑑別は重要である. 一般に脳腫瘍に由来する三叉神経痛の特徴としては, その他の脳神経の随伴症状や当該領域の知覚異常が挙げられる5~7). なかでも当該領域の知覚異常は鑑別診断において重要な所見とされる. 本検討ではその知覚異常を客観的に評価はできないか明らかにするべく, 脳腫瘍に由来の症候性三叉神経痛7症例について, その他の脳神経随伴症状と定量的感覚検査を施行し, 検討した. 研究対象 平成11年7月から平成16年4月にかけて九州歯科大学付属病院歯科麻酔外来口腔神経科, 疼痛外来を受診した, 三叉神経痛患者170例のうち, 脳腫瘍の存在が明らかになった症候性三叉神経痛症例7例(STN群:男性3名女性4名, 平均年齢63.86±13.51歳:11神経), そして感覚検査の対象群として, 170名のうちこの7名を除いた特発性三叉神経痛患者から任意に抽出した特発性三叉神経痛症例10例(ITN群:男性5名女性5名, 平均年齢62.64±11.30歳:10神経)および口腔外科手術前の感覚検査を目的として同時期に受診した対象群10例(CONT群:男性5名女性5名, 平均年齢60.64±6.33歳:10神経)とが対象である(Table1). |
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ISSN: | 0915-8588 |