地域連携クリニカルパスを用いた結核の地域医療連携のための指針 (地域DOTSにおける医療機関の役割)
結核患者数の減少および入院期間の短縮, 医療の効率化への流れ等により, 結核の入院治療を担う医療機関は減少している. また, 結核専門家も減少し, 限られた病床数, 限られた数の専門家で結核の治療を行っていくことが求められる状況になっている. 結核の診療経験に乏しい医師, 医療機関が結核治療を行う機会が多くなる中で, DOTS(直接服薬確認療法)を含めた適正な結核医療を, 治療開始から服薬の完了まで継続して提供するためには, 結核医療に関する地域医療連携の構築が必要である. 地域医療連携においては, 地域の医療機関における役割分担と情報共有が重要であり, 地域連携クリニカルパスの利用が有用であ...
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Published in | 結核 Vol. 88; no. 9; pp. 687 - 693 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本結核病学会
15.09.2013
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ISSN | 0022-9776 |
Cover
Summary: | 結核患者数の減少および入院期間の短縮, 医療の効率化への流れ等により, 結核の入院治療を担う医療機関は減少している. また, 結核専門家も減少し, 限られた病床数, 限られた数の専門家で結核の治療を行っていくことが求められる状況になっている. 結核の診療経験に乏しい医師, 医療機関が結核治療を行う機会が多くなる中で, DOTS(直接服薬確認療法)を含めた適正な結核医療を, 治療開始から服薬の完了まで継続して提供するためには, 結核医療に関する地域医療連携の構築が必要である. 地域医療連携においては, 地域の医療機関における役割分担と情報共有が重要であり, 地域連携クリニカルパスの利用が有用であると考えられる. 本指針は, 結核治療を行うに際して, 上記のような結核専門医療機関とその他の地域医療機関の連携に必要な具体的条件を示すものである. このような連携は結果として結核医療の水準の向上, 治療成績の改善をもたらすものと期待されるが, それぞれの医療機関, 特に結核専門医療機関にとっては連携の構築と運用のために大きな労力を要するものであるため, 労力に見合う診療報酬等の制度による後押しも必要である. |
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ISSN: | 0022-9776 |