右下葉(B^6 )に認められたBronchial Atresiaの1例
症例は生来健康な21歳男性. 18歳時, 胸部X線写真上異常影を指摘されたが, 無症状につき放置した. 20歳時, 健診にて再び異常陰影を指摘され, 平成9年4月11日当科に入院となった. 入院時の胸部単純X線写真では, 右中肺野に嚢胞状陰影を認めた. 胸部CTでは右S^6 に数個の連続性を有する嚢胞状陰影を認め, 周辺部の肺野は気腫状の変化と濃度低下がみられた. 右B^6 の開口部は同定できなかった. 気管支鏡検査では右B^6 は欠損し, 右B^2 の気管支造影でも嚢胞状陰影への造影剤の流入は認めなかった. 血管造影で血管系の奇形は認めなかった. 以上より, 右B^6 のbronchial...
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Published in | 気管支学 Vol. 19; no. 7; p. 578 |
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Main Authors | , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本気管支学会
25.11.1997
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ISSN | 0287-2137 |
Cover
Summary: | 症例は生来健康な21歳男性. 18歳時, 胸部X線写真上異常影を指摘されたが, 無症状につき放置した. 20歳時, 健診にて再び異常陰影を指摘され, 平成9年4月11日当科に入院となった. 入院時の胸部単純X線写真では, 右中肺野に嚢胞状陰影を認めた. 胸部CTでは右S^6 に数個の連続性を有する嚢胞状陰影を認め, 周辺部の肺野は気腫状の変化と濃度低下がみられた. 右B^6 の開口部は同定できなかった. 気管支鏡検査では右B^6 は欠損し, 右B^2 の気管支造影でも嚢胞状陰影への造影剤の流入は認めなかった. 血管造影で血管系の奇形は認めなかった. 以上より, 右B^6 のbronchial atresiaと診断した. 本症は通常無症状で, 胸部単純X線上, 偶然に発見されることが多い. 一般に左上葉に認めることが多く, 右下葉のbronchial atresiaは稀とされるので, 若干の文献的考察を加えて報告する. |
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ISSN: | 0287-2137 |