各種合着用セメントの粉液採取法が物性におよぼす影響について

「緒言」現在, 鋳造修復物合着のためのセメントとしては, りん酸亜鉛セメント, カルボキシレートセメントならびにグラスアイオノマーセメントの3種が代表的なものとして挙げられるが, 近年, これらセメントに若干の成分を付加し, 生物学的性質を向上させるなどの改良が加えられ, この種の製品が多数市販されている. 加えて, 接着性レジン材料の目覚ましい進歩に伴って, 従来, 合着材としては不適とされて来たレジン系のセメントが再び登場し, 日常の臨床に用いられつつある. これら多数のセメントは多少なりともその組成を異にするためそれらの物性にも変動がみられるのではないかと思われ, したがって, 現時点に...

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Published in神奈川歯学 Vol. 19; no. 3; pp. 280 - 289
Main Authors 山崎恭敬, 野村健一郎, 西村光太郎, 前川彰男, 鈴木淳子, 青野忠之, 菊地亮, 伊東敦, 岩本次男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.12.1984
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ISSN0454-8302

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Summary:「緒言」現在, 鋳造修復物合着のためのセメントとしては, りん酸亜鉛セメント, カルボキシレートセメントならびにグラスアイオノマーセメントの3種が代表的なものとして挙げられるが, 近年, これらセメントに若干の成分を付加し, 生物学的性質を向上させるなどの改良が加えられ, この種の製品が多数市販されている. 加えて, 接着性レジン材料の目覚ましい進歩に伴って, 従来, 合着材としては不適とされて来たレジン系のセメントが再び登場し, 日常の臨床に用いられつつある. これら多数のセメントは多少なりともその組成を異にするためそれらの物性にも変動がみられるのではないかと思われ, したがって, 現時点においてそれらの合着用材料として具備すべき諸性質を多角的に再評価することは意義あることと考えられる. セメントの諸物性に影響を与える因子としては材質および操作法の二つのものが挙げられるが, 就中, 粉液比はセメントの各種物性に影響する重要な因子であることは論をまたない.
ISSN:0454-8302