脊髄損傷者を対象とした体幹機能評価尺度 (Trunk Assessment Scale for Spinal Cord Injury : TASS) の開発と信頼性の検証

「要旨」【目的】脊髄損傷者の体幹機能評価尺度 (以下, TASS) を開発し, 信頼性を検証すること. 【方法】脊髄障害認定理学療法士9名によって開発したTASSを用いて, 理学療法士2名が脊髄障害を有する10例の評価を実施した. 級内相関係数ICC (2,1) , Cohenのκ係数, Cronbachのα係数を用いて, 検者間信頼性, 項目一致度, 内的整合性を確認した. Bland-Altman分析を用いて, 系統誤差の有無を確認した. 【結果】TASSは端座位課題7項目で構成される尺度となった. ICC (2,1) は0.98, κ係数は0.57~1.00, α係数は0.94であった....

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Published in理学療法学 Vol. 48; no. 3; pp. 321 - 329
Main Authors 佐藤弘樹, 吉川憲一, 宮田一弘, 佐野歩, 水上昌文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 20.06.2021
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ISSN0289-3770

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Summary:「要旨」【目的】脊髄損傷者の体幹機能評価尺度 (以下, TASS) を開発し, 信頼性を検証すること. 【方法】脊髄障害認定理学療法士9名によって開発したTASSを用いて, 理学療法士2名が脊髄障害を有する10例の評価を実施した. 級内相関係数ICC (2,1) , Cohenのκ係数, Cronbachのα係数を用いて, 検者間信頼性, 項目一致度, 内的整合性を確認した. Bland-Altman分析を用いて, 系統誤差の有無を確認した. 【結果】TASSは端座位課題7項目で構成される尺度となった. ICC (2,1) は0.98, κ係数は0.57~1.00, α係数は0.94であった. 評価者2名の差の平均値は95% 信頼区間が-2.58~1.18, 散布図の回帰直線の傾きは0.19 (p=0.61) であった. 【結論】端座位課題7項目で構成される体幹機能評価尺度が完成し, 高い検者間信頼性, 内的整合性を示し, 系統誤差のない尺度であることが確認された.
ISSN:0289-3770