ヒト歯根膜由来線維芽細胞 (HPLF) の産生する細胞接着・伸展因子 (CASFs) の分離精製過程でのオステオネクチンの分離
「緒言」 Melcherが歯周組織創傷治癒の基本原則の仮説を唱えて以来, 歯周組織再生の問題をその構成細胞の特性から考察することは, 近年, 歯周治療学の中心的な事項となりつつある. 歯周組織再生の期待すべき状態とは, 然るべき処置後に歯根表面に新生セメント質形成が達成される, いわゆる新付着が得られることである. 現在では, 主にNymanらが行った研究報告より, 新付着形成能を持つ歯周組織細胞は歯根膜由来細胞であることが証明されており, 臨床においては, そのコンセプトに基づいた歯周外科処置のGTR法が応用されている. また同時に, 培養細胞を利用した歯根膜の研究報告も増えてきて, 臨床に...
Saved in:
Published in | 神奈川歯学 Vol. 32; no. 2; pp. 129 - 136 |
---|---|
Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
神奈川歯科大学学会
30.09.1997
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0454-8302 |
Cover
Summary: | 「緒言」 Melcherが歯周組織創傷治癒の基本原則の仮説を唱えて以来, 歯周組織再生の問題をその構成細胞の特性から考察することは, 近年, 歯周治療学の中心的な事項となりつつある. 歯周組織再生の期待すべき状態とは, 然るべき処置後に歯根表面に新生セメント質形成が達成される, いわゆる新付着が得られることである. 現在では, 主にNymanらが行った研究報告より, 新付着形成能を持つ歯周組織細胞は歯根膜由来細胞であることが証明されており, 臨床においては, そのコンセプトに基づいた歯周外科処置のGTR法が応用されている. また同時に, 培養細胞を利用した歯根膜の研究報告も増えてきて, 臨床における細胞生物学的アプローチの期待も高まってきている. しかし, 歯根膜由来細胞の特異的な性格については, アルカリホスファターゼ活性からみて骨芽細胞系細胞の可能性が高い, という川瀬らの報告以来, 種々の報告が集積されているにも拘わらず, 今なお, 結論が得られていない. |
---|---|
ISSN: | 0454-8302 |