臓器移植における倫理的ジレンマを題材にした中学校・高等学校の教材開発 - 「主体的・対話的で深い学び」でVUCA時代を生き抜く力を修得する

「1. はじめに」2018年度から小学校で, 2019年度から中学校で道徳が教科化され, いのちの尊さについて学校教育で取り上げられる機会が増えてきた. また, 若年者の自死の問題やCovid-19パンデミックの影響から, いのちの教育が重要視されている. そこで, 臓器移植を題材した授業は, いのちの尊さに加えて, 死生観, 終末期における自己決定や家族の意思決定など社会的な課題を考えるうえでも注目されている. 大学入学共通テストにおいて, 2021年度は公民の現代社会, 2024年度は公民の倫理と政治経済で臓器移植が出題されたことからも, 臓器移植は基礎知識として修得すべきことになったと言...

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Published in移植 Vol. 59; no. 3; pp. 283 - 289
Main Authors 朝居朋子, 佐藤毅, 横田裕行
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本移植学会 26.12.2024
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Summary:「1. はじめに」2018年度から小学校で, 2019年度から中学校で道徳が教科化され, いのちの尊さについて学校教育で取り上げられる機会が増えてきた. また, 若年者の自死の問題やCovid-19パンデミックの影響から, いのちの教育が重要視されている. そこで, 臓器移植を題材した授業は, いのちの尊さに加えて, 死生観, 終末期における自己決定や家族の意思決定など社会的な課題を考えるうえでも注目されている. 大学入学共通テストにおいて, 2021年度は公民の現代社会, 2024年度は公民の倫理と政治経済で臓器移植が出題されたことからも, 臓器移植は基礎知識として修得すべきことになったと言える. 教科書の内容に沿った知識伝達型の授業の後には, 社会における課題を把握し, その解決に向けて自分の考えをまとめ, 他者の考えを理解し, そのうえで選択・判断する力, さらに自分の考えを言語化できる力を育む必要がある.
ISSN:0578-7947