抗不整脈剤注射時における看護師の不安軽減への取り組み
<研究目的>抗不整脈剤の知識を深め基準書を作成し活用する事は抗不整脈注射時の不安軽減に繋がるか明らかにする. <研究方法>対象:当循環器科病棟に勤務する同意を得られた看護師23名・准看護師1名 調査期間:(前)2004年6月10日から6月17日, (後)8月20日から8月27日 方法:調査研究(留め置き法) 学習会及び基準書作成前後で抗不剤整脈注射時の不安の程度5段階評価で比較検討する. <内容>抗不整脈剤注射時の不安に思っている事を記述式で回答してもらい, 不安内容の多いものを6項目選出した. 基準書は, 商品名・適応・用法・用量・副作用・禁忌の項目で簡潔...
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Published in | 日本農村医学会雑誌 Vol. 54; no. 3; p. 587 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本農村医学会
01.09.2005
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ISSN | 0468-2513 |
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Summary: | <研究目的>抗不整脈剤の知識を深め基準書を作成し活用する事は抗不整脈注射時の不安軽減に繋がるか明らかにする. <研究方法>対象:当循環器科病棟に勤務する同意を得られた看護師23名・准看護師1名 調査期間:(前)2004年6月10日から6月17日, (後)8月20日から8月27日 方法:調査研究(留め置き法) 学習会及び基準書作成前後で抗不剤整脈注射時の不安の程度5段階評価で比較検討する. <内容>抗不整脈剤注射時の不安に思っている事を記述式で回答してもらい, 不安内容の多いものを6項目選出した. 基準書は, 商品名・適応・用法・用量・副作用・禁忌の項目で簡潔にまとめ字の大きさや色彩を工夫した. 設置場所は, ファイル以外に注射薬品準備台と看護休憩室とした. <結果>基準書活用前後の抗不整脈剤注射時の不安の内容と程度は, 以下の結果であった. 薬効については, 非常に不安が, 前6名・後2名. やや不安が, 前12名・後12名. 副作用については, 非常に不安が, 前11名・後2名. やや不安が, 前6名・後15名. 注入速度・投与量については, 非常に不安が, 前9名・後0名. やや不安が, 前13名・後11名. 使用方法は適切かについては, 非常に不安が, 前7名・後1名. やや不安が, 前13名・後6名. 同じルートから数種類の注射薬注入可能かについては, 非常に不安が, 前17名・後1名. やや不安が, 前5名・後13名. 抗不整脈剤ルートから側管注射可能かについては, 非常に不安が, 前21名・後5名. やや不安が, 前3名・後5名. スタッフの意見は前:勤務交代をすると知識不足のためミスを犯しやすくマニュアルがあれば良い. 誰でも同じレベルになる工夫が必要. 後:手にとってみながら使用でき不安が少なく安全にできると感じた. 知識は深まったが緊張感と漠然とした不安がある. <考察>抗不整脈剤注射時にスタッフ全員が, 知識不足からくる不安を感じていることが明らかになった. 学習会や基準書活用後は, 各調査項目において不安の程度が軽減し今回の取り組みが効果的であったといえる. これは, 学習会で知識を深め基準書の内容, 設置場所を工夫した事で安全に関われるという思いになり不安の軽減に繋がったと考える. 今後も学習会や基準書の見直しを行ないスタッフの意識を向上させ安全対策に向けた活動を継続していく必要がある. <結語>1.抗不整脈剤注射時にスタッフ全員が知識不足からくる不安を感じている事が明らかになった. 2.学習会と基準書を作成し活用する事は, 抗不整脈剤注射時の安全性の向上と不安の軽減に繋がった. |
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ISSN: | 0468-2513 |