神経感染症の治療の進歩 (2021)

「はじめに」歴史上, 人類と感染症の戦いの中で様々な細菌やウイルスが猛威を奮ってきたが, 現在の感染症を語るうえで話題の中心になるものが新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019: COVID-19)であることについては疑う余地はないだろう. 神経感染症においても同様であり, 話題の中心はCOVID-19である. 次に, 我々が日常的に遭遇する機会の多い感染性髄膜炎・脳炎の最新トピックスをまとめた. また, 近年, 多発性硬化症をはじめとした神経免疫疾患において分子標的薬が多く使われるようになった結果生じる感染症, とりわけ進行性多巣性白質脳症(progress...

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Published in神経治療学 Vol. 39; no. 5; pp. 760 - 763
Main Authors 櫻井謙三, 山野嘉久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本神経治療学会 25.09.2022
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ISSN0916-8443

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Summary:「はじめに」歴史上, 人類と感染症の戦いの中で様々な細菌やウイルスが猛威を奮ってきたが, 現在の感染症を語るうえで話題の中心になるものが新型コロナウイルス感染症(coronavirus disease 2019: COVID-19)であることについては疑う余地はないだろう. 神経感染症においても同様であり, 話題の中心はCOVID-19である. 次に, 我々が日常的に遭遇する機会の多い感染性髄膜炎・脳炎の最新トピックスをまとめた. また, 近年, 多発性硬化症をはじめとした神経免疫疾患において分子標的薬が多く使われるようになった結果生じる感染症, とりわけ進行性多巣性白質脳症(progressive multifocal leukoencephalopathy: PML)は重要な神経感染症の一つであり, 今回ふれておきたい. 治療という観点からは, 病態解明が進み, 創薬の段階にあるHTLV-1関連脊髄症(HTLV-1 associated myelopathy: HAM)の現状についてもふれておく.
ISSN:0916-8443