腰痛性間欠跛行に対する塩酸エペリゾンの治療効果 -電気生理学的検討

腰痛性間欠跛行を有する22例に対する中枢性筋弛緩薬である塩酸エペリゾンの治療効果について電気生理学的に検討した. 塩酸エペリゾンは1日150mgを3回に分けて2週間連続で経口投与した. 薬剤の効果は, 投与前後での歩行可能時間と歩行時における腰椎部背筋群の疲労度(中心パワー周波数の変化率;MF)で判定した. 塩酸エペリゾンの投与により, 平均歩行可能時間は4.4±4.3分から5.4±4.9分と有意に延長した(p<0.005). また, MFは, -6.3±7.6%/分から-4.5±5.0%/分と有意に増加した(p<0.05). この結果より, 塩酸エペリゾンの投与により, 腰痛性間欠跛行を有す...

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Published in日本腰痛研究会雑誌 Vol. 3; no. 1; pp. 16 - 20
Main Authors 荒井至, 菊地臣一, 佐藤勝彦, 紺野慎一, 長総義弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本腰痛研究会 14.10.1997
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ISSN1341-7355

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Summary:腰痛性間欠跛行を有する22例に対する中枢性筋弛緩薬である塩酸エペリゾンの治療効果について電気生理学的に検討した. 塩酸エペリゾンは1日150mgを3回に分けて2週間連続で経口投与した. 薬剤の効果は, 投与前後での歩行可能時間と歩行時における腰椎部背筋群の疲労度(中心パワー周波数の変化率;MF)で判定した. 塩酸エペリゾンの投与により, 平均歩行可能時間は4.4±4.3分から5.4±4.9分と有意に延長した(p<0.005). また, MFは, -6.3±7.6%/分から-4.5±5.0%/分と有意に増加した(p<0.05). この結果より, 塩酸エペリゾンの投与により, 腰痛性間欠跛行を有する症例の歩行距離が延長し, 筋疲労が緩和されることが判明した. 塩酸エペリゾンは筋弛緩作用に加えてCa拮抗類似作用による筋血流増加作用を有することから, これらの作用が腰痛性間欠跛行の症状改善に関与している可能性が示唆された.
ISSN:1341-7355