Williams syndromeに合併した側弯症の一例

「はじめに」Williams症候群2)は, 幼児期からの成長障害と知的発達障害, elfin face, 人なつっこい性格に, 大動脈弁上狭窄, 末梢性肺動脈狭窄などの心血管系異常を主症状とする先天性奇形症候群である. FISH法による遺伝子解析にて, 患者の96%に7番染色体長腕q11.23にDNA欠失が認められる. 頻度は欧米で1万人に1人, 我が国では不明である. 今回Williams症候群に合併した側弯症に対し, 手術的治療を要した症例を経験したので報告する. 症例 症例は9歳女児, 主訴脊柱変形, 家族歴, 既往歴に特記事項なし. 現病歴, 39週正常分娩にて出生, 3歳9ヶ月時他医...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 49; no. 2; pp. 450 - 452
Main Authors 丸山裕之, 武富栄二, 松永俊二, 山口正男, 中原真二, 山口知之, 西畠信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.03.2000
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Summary:「はじめに」Williams症候群2)は, 幼児期からの成長障害と知的発達障害, elfin face, 人なつっこい性格に, 大動脈弁上狭窄, 末梢性肺動脈狭窄などの心血管系異常を主症状とする先天性奇形症候群である. FISH法による遺伝子解析にて, 患者の96%に7番染色体長腕q11.23にDNA欠失が認められる. 頻度は欧米で1万人に1人, 我が国では不明である. 今回Williams症候群に合併した側弯症に対し, 手術的治療を要した症例を経験したので報告する. 症例 症例は9歳女児, 主訴脊柱変形, 家族歴, 既往歴に特記事項なし. 現病歴, 39週正常分娩にて出生, 3歳9ヶ月時他医にてWilliams症候群と診断される. 7歳9ヶ月時学校健診にて側弯を指摘される. 8歳2ヶ月時当科紹介受診. 思春期早発症も指摘される. 9歳1ヶ月時手術目的入院となる. 本症例のWilliams症候群の症状は, 性格, 特徴として精神遅滞, 人なつっこさ, 多弁, 多動がある. 頭部, 顔面についてはelfin faceがあり, 心血管系奇形として大動脈弁上狭窄を認めた. 本症例はelfin faceの特徴として腫れぼったい目, 厚い口唇, 低い鼻根, 長い人中などの特徴を有していた.
ISSN:0037-1033