人赤血球濃厚液の保存中の変動

現在, 血漿を除いた人赤血球濃厚液の有効期間は, 血漿除去後24時間とされている. これは細菌汚染の問題から決定されたと思うが, プラスチック製成分製剤用バッグが広く使用されるようになり, closed systemでの製造が行われている現在, この有効期間は新たに考えるべきではないだろうか. しかし一方, 保存した場合のpacked red cellsの変化については殆んど知られていたい. そこでわれわれは物理的, 化学的面から赤血球濃厚液の保存とその変化を追及した. 実験材料:ACD入りプラスチック製ダブルバッグに200ml採血後, 常法に通って血漿を分離(採血当日)し, 赤血球沈層を4℃...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 23; no. 3/4; pp. 119 - 120
Main Authors 笹川滋, 野中登美子, 三富斉忠, 徳永栄一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.11.1977
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ISSN0546-1448

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Summary:現在, 血漿を除いた人赤血球濃厚液の有効期間は, 血漿除去後24時間とされている. これは細菌汚染の問題から決定されたと思うが, プラスチック製成分製剤用バッグが広く使用されるようになり, closed systemでの製造が行われている現在, この有効期間は新たに考えるべきではないだろうか. しかし一方, 保存した場合のpacked red cellsの変化については殆んど知られていたい. そこでわれわれは物理的, 化学的面から赤血球濃厚液の保存とその変化を追及した. 実験材料:ACD入りプラスチック製ダブルバッグに200ml採血後, 常法に通って血漿を分離(採血当日)し, 赤血球沈層を4℃で保存し実験に供した. 測定法:(1)赤血球膜浸透圧抵抗測定, (2)赤血球の糖代謝に関係しているブドウ糖, ATP, 2, 3-DPG, 乳酸, ピルビン酸量の変化, (3)packed red cellsの輸血後24時間の生存率などについて測定したが, 方法はすべて演題(49)と同様に行ったので省略する.
ISSN:0546-1448