診断に難渋した喀痰細胞診陽性肺腺癌の1例
症例は83歳, 男性. 主訴は特になし. 平成6年12月の検診にて, 集細胞法による喀痰細胞診E判定(扁平上皮癌の疑い)のため精査目的にて当科に入院, 気管支鏡を施行したが可視範囲には異常を認めなかった. 胸部X線写真上, 右上肺野に淡い浸潤影を認め, 経気管支肺生検を試みたが悪性所見は得られなかった. 外来で経過観察となったが, 平成7年11月の検診で再度, 喀痰細胞診でE判定を受けた. 気管支鏡では右主気管支の狭窄を認め, 末梢の肺生検および狭窄部の擦過細胞診より腺癌と診断された. 喀痰細胞診陽性例では腫瘍が中枢側に存在することが多いが, 本症例の如く末梢性肺癌もあり, 早期診断のためには...
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Published in | 気管支学 Vol. 18; no. 4; pp. 416 - 417 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本気管支学会
25.05.1996
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-2137 |
Cover
Summary: | 症例は83歳, 男性. 主訴は特になし. 平成6年12月の検診にて, 集細胞法による喀痰細胞診E判定(扁平上皮癌の疑い)のため精査目的にて当科に入院, 気管支鏡を施行したが可視範囲には異常を認めなかった. 胸部X線写真上, 右上肺野に淡い浸潤影を認め, 経気管支肺生検を試みたが悪性所見は得られなかった. 外来で経過観察となったが, 平成7年11月の検診で再度, 喀痰細胞診でE判定を受けた. 気管支鏡では右主気管支の狭窄を認め, 末梢の肺生検および狭窄部の擦過細胞診より腺癌と診断された. 喀痰細胞診陽性例では腫瘍が中枢側に存在することが多いが, 本症例の如く末梢性肺癌もあり, 早期診断のためには注意が必要である. |
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ISSN: | 0287-2137 |