診断後から治療期における成人がん患者の情報ニーズに関する文献検討
「要旨」【目的】国内外の先行研究から, 診断後から治療期にある結腸直腸がん, 肺がん, 胃がん, 乳がん, 前立腺がんの成人がん患者の情報ニーズの要点を整理し, 今後の看護支援への示唆を得る. 【方法】データベースは医学中央雑誌web版, CINAHL(Cumulative Index to Nursing and Allied Health Literature), MEDLINE Completeを用い, 2012年から2022年10月までの10年間に指定した. 「がん」AND「情報ニーズ」に, 結腸直腸がんor肺がんor胃がんor乳がんor前立腺がんを追加して検索し, ハンドサーチと合わ...
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Published in | 兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 Vol. 31; pp. 1 - 12 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所
01.03.2024
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ISSN | 1881-6592 |
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Summary: | 「要旨」【目的】国内外の先行研究から, 診断後から治療期にある結腸直腸がん, 肺がん, 胃がん, 乳がん, 前立腺がんの成人がん患者の情報ニーズの要点を整理し, 今後の看護支援への示唆を得る. 【方法】データベースは医学中央雑誌web版, CINAHL(Cumulative Index to Nursing and Allied Health Literature), MEDLINE Completeを用い, 2012年から2022年10月までの10年間に指定した. 「がん」AND「情報ニーズ」に, 結腸直腸がんor肺がんor胃がんor乳がんor前立腺がんを追加して検索し, ハンドサーチと合わせて23文献を分析対象とした. 【結果】乳がん患者を対象とした文献が最も多く, 研究デザインは質的研究が主であった. 診断後から治療期における成人がん患者の情報ニーズとして, 14のサブカテゴリーと, 【疾患と治療の意味を理解できる情報】【疾患や治療による影響を予測できる情報】【現状や将来の生活をより良くする対処につながる情報】の3つのカテゴリーに分類された. 【結論】診断後から治療期における成人がん患者は, 個々の疾患や病期, 治療, 身体状況に加えて, 価値観や生活上の習慣, 仕事, 家族・パートナーの状況に応じた情報ニーズを持つことが示された. これはその人らしさにも置き換えられ, 看護師はがん患者のその人らしさに基づく, より詳細で個別的な情報ニーズを認識し, 情報提供または適切な情報源につなぐ役割を果たす必要性が示唆された. また, 国外研究が主であり, 文化的背景や医療提供内容によって情報ニーズは異なる可能性が示唆された. |
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ISSN: | 1881-6592 |