難治性鼻副鼻腔炎の病態解明と治療

「1980年代以降の鼻副鼻腔炎治療の最近の進歩」鼻副鼻腔炎, 中でも慢性鼻副鼻腔炎(CRS)は, 古くからある慢性気道炎症性疾患で, 鼻閉, 鼻漏・後鼻漏, 嗅覚障害, 頭痛・頭重に代表される症状が, 洋の東西を問わず長らく人類を苦しめてきた, 症状は, 従来からあまり変化はないが, その病態は多様性を増している. 主なものとしては, 上下気道炎(one airway one disease), アレルギー性鼻炎の関与, 難治性好酸球性炎症による鼻副鼻腔炎(好酸球性鼻副鼻腔炎)がある. そして治療も, マクロライド少量長期投与療法(マクロライド療法)の登場, 歯齦部切開から経上顎洞的に副鼻腔を...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本医科大学医学会雑誌 Vol. 21; no. 2; pp. 110 - 111
Main Author 松根彰志
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 01.04.2025
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:「1980年代以降の鼻副鼻腔炎治療の最近の進歩」鼻副鼻腔炎, 中でも慢性鼻副鼻腔炎(CRS)は, 古くからある慢性気道炎症性疾患で, 鼻閉, 鼻漏・後鼻漏, 嗅覚障害, 頭痛・頭重に代表される症状が, 洋の東西を問わず長らく人類を苦しめてきた, 症状は, 従来からあまり変化はないが, その病態は多様性を増している. 主なものとしては, 上下気道炎(one airway one disease), アレルギー性鼻炎の関与, 難治性好酸球性炎症による鼻副鼻腔炎(好酸球性鼻副鼻腔炎)がある. そして治療も, マクロライド少量長期投与療法(マクロライド療法)の登場, 歯齦部切開から経上顎洞的に副鼻腔を開放清掃する, 上顎洞篩骨洞根本術(Caldwel Luc手術など)中心から, 経外鼻孔的に鼻腔内に入り副鼻腔の開放や清掃を行う内視鏡下鼻内副鼻腔手術(以後 ESS)中心に替わってきた. 急性鼻副鼻腔炎(以後 ARS)や鼻茸を伴わないCRSに対しては, プレッツの置換法の原理に基づく副鼻腔炎治療用カテーテル(以後 カテーテル治療)による治療の選択肢も登場した.
ISSN:1349-8975