職場におけるTHPリーダーの養成と問題点
産業保健スタッフのマンパワーは限られており, 職場において健康保持増進をすすめるには, 従業員自らが健康を自分たちの問題として捉え, 積極的に対応するような, 自主管理体制を整えることが肝要と考え, その中心的存在(THPリーダー)の養成を行った. 1泊2日のセミナーを年に8回実施した結果, 3年間で328名を養成し, 一部減少したものの, 現在215名のTHPリーダーが活躍中である. 健康意識の向上(健康チェックリストの活用, 健康日本21大同プランの実践), メンタルヘルス対応(リスナーとしての認識)など, 一定の効果は上がったものの, 事業場間, 部門間における格差, セミナーへの出席率...
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Published in | 産業衛生学雑誌 Vol. 46; no. 1; p. 28 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本産業衛生学会
20.01.2004
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ISSN | 1341-0725 |
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Summary: | 産業保健スタッフのマンパワーは限られており, 職場において健康保持増進をすすめるには, 従業員自らが健康を自分たちの問題として捉え, 積極的に対応するような, 自主管理体制を整えることが肝要と考え, その中心的存在(THPリーダー)の養成を行った. 1泊2日のセミナーを年に8回実施した結果, 3年間で328名を養成し, 一部減少したものの, 現在215名のTHPリーダーが活躍中である. 健康意識の向上(健康チェックリストの活用, 健康日本21大同プランの実践), メンタルヘルス対応(リスナーとしての認識)など, 一定の効果は上がったものの, 事業場間, 部門間における格差, セミナーへの出席率の低下, 責任と権限が不明確なため, せっかく養成したにもかかわらず充分に機能しない, などの問題点も明らかとなった. 職場において, プライバシー問題の絡む健康問題に関する責任と権限を, THPリーダーという特定の人に付与することは容易ではない. 現在, これらの諸問題を解決すべく改善策を検討中である. |
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ISSN: | 1341-0725 |