心房細動の予防と治療-(5)リズムコントロールの薬物選択

「概要」心房細動は最も罹患頻度の高い不整脈であり, 現在, わが国においては70歳代で男性の3.4%, 女性の1.1%に認められ, 80歳代ではそれぞれ4.4%, 2.2%と罹患が増加することが認められており, 日本が今後, 未曾有の超高齢化社会に突入していくことを考えると, その罹患頻度は益々増加して行くと考えられる. 心房細動は, 従来予後良好な不整脈と考えられていたが, 実際は心原性脳梗塞や心不全などをきたすことが知られており, QOLの面からも, 従来, 考えられていたよりも予後不良な疾患である. まず, 最も重要なことはCHADS2スコアなどによって血栓塞栓のリスクを評価し, リスク...

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Published in心臓 Vol. 43; no. 9; pp. 1270 - 1273
Main Author 青沼和隆
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心臓財団 15.09.2011
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ISSN0586-4488

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Summary:「概要」心房細動は最も罹患頻度の高い不整脈であり, 現在, わが国においては70歳代で男性の3.4%, 女性の1.1%に認められ, 80歳代ではそれぞれ4.4%, 2.2%と罹患が増加することが認められており, 日本が今後, 未曾有の超高齢化社会に突入していくことを考えると, その罹患頻度は益々増加して行くと考えられる. 心房細動は, 従来予後良好な不整脈と考えられていたが, 実際は心原性脳梗塞や心不全などをきたすことが知られており, QOLの面からも, 従来, 考えられていたよりも予後不良な疾患である. まず, 最も重要なことはCHADS2スコアなどによって血栓塞栓のリスクを評価し, リスクに従って抗凝固療法をしっかりと行うことである(表, 図1). 治療に入るときには, まず, 心房細動の分類から入る必要あり 1)発作性心房細動:7日以内に自然停止する心房細動 2)持続性心房細動:薬物あるいは, 電気的除細動の治療をしなければ7日以上持続する心房細動 3)長期持続性心房細動:1年以上持続する心房細動 「最近の研究の背景」1990年代, 多くの基礎研究でatrial fibrillation begets atrial fibrillationが実証された.
ISSN:0586-4488