口腔扁平上皮癌の術前治療効果に関する研究 - Ag - NORsと組織学的治療効果との関係

「緒言」口腔癌における術前照射ないし術前化学療法は縮小手術を可能にし, 口腔の機能, 形態を保存し, 治癒に導くうえで重要である. しかし放射線, 化学療法に対する反応態度は症例により様々である. したがって, 無用な副作用を回避し, 的確に治療効果をあげるには, 治療の感受性, 効果を予知し, また客観的に評価できる指標が求められている. とくに放射線外部照射や多くの抗癌剤はcell cycle依存性であることから, 腫瘍の細胞動態は治療の感受性, 効果の評価に重要である. この点に関しては, これまで, 核酸量の細胞測光, あるいはBromdeoxy uridine(以下BrdUと略す)や...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in神奈川歯学 Vol. 28; no. 1; pp. 66 - 78
Main Authors 池田敦, 志村介三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.06.1993
Online AccessGet full text
ISSN0454-8302

Cover

More Information
Summary:「緒言」口腔癌における術前照射ないし術前化学療法は縮小手術を可能にし, 口腔の機能, 形態を保存し, 治癒に導くうえで重要である. しかし放射線, 化学療法に対する反応態度は症例により様々である. したがって, 無用な副作用を回避し, 的確に治療効果をあげるには, 治療の感受性, 効果を予知し, また客観的に評価できる指標が求められている. とくに放射線外部照射や多くの抗癌剤はcell cycle依存性であることから, 腫瘍の細胞動態は治療の感受性, 効果の評価に重要である. この点に関しては, これまで, 核酸量の細胞測光, あるいはBromdeoxy uridine(以下BrdUと略す)や, Ki-67, proliferating cell nuclear antigen(以下PCNAと略す)などの細胞増殖関連因子の免疫組織学的検索がなされているが, 設備や手技上の点から, 全ての症例に, 日常的に行えるわけではない.
ISSN:0454-8302