模擬患者(SP)参加型診療シミュレーション実習の意義 -2大学3年間の学生による評価票調査から

「要旨」:背景: SP参加型の診療シミュレーション実習の報告は少ない. 方法: 2大学の5年生に実習を施行し, 学生による評価票を検討した. 結果:ほとんどの学生が実習は有意義でもっと実習を受けたいと答え, 診療の一連の流れができたか, 鑑別診断を考えながらできたかの問いには, 多くの学生が低い自己評価であったが, 身体診察中の患者配慮に関しては約5割の学生ができたと答えた. 学生はリアリティと緊張感のある設定で, 初めて体験する診療の一連の流れに難しさを感じながらも, さらなるモチベーションを高め, SPからのフィードバックを重要と感じた. 考察:学生評価の高い, 汎用可能性のある教育プログ...

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Published in医学教育 Vol. 45; no. 2; pp. 69 - 78
Main Authors 鈴木富雄, 阿部恵子, 佐藤元紀, 伴信太郎, 松井俊和, 石原慎, 大槻眞嗣
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医学教育学会 25.04.2014
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Summary:「要旨」:背景: SP参加型の診療シミュレーション実習の報告は少ない. 方法: 2大学の5年生に実習を施行し, 学生による評価票を検討した. 結果:ほとんどの学生が実習は有意義でもっと実習を受けたいと答え, 診療の一連の流れができたか, 鑑別診断を考えながらできたかの問いには, 多くの学生が低い自己評価であったが, 身体診察中の患者配慮に関しては約5割の学生ができたと答えた. 学生はリアリティと緊張感のある設定で, 初めて体験する診療の一連の流れに難しさを感じながらも, さらなるモチベーションを高め, SPからのフィードバックを重要と感じた. 考察:学生評価の高い, 汎用可能性のある教育プログラムであることが示唆された. 「1. はじめに」」 卒前教育における実践的な診療能力に関する評価の一つとして, 最終学年にSPの協力を得て, 医療面接, 鑑別診断を踏まえた身体診察, 患者への説明まで含めたAdvanced OSCEを実施する大学が増えている1).
ISSN:0386-9644