全国保健所アンケート調査に基づく2016年新登録の外国出生結核患者に対する医療通訳者の利用状況

「要旨」 : 〔目的〕全国の保健所で外国出生結核患者 (潜在性結核感染症者を含む, 以下同じ) に支援する際, 医療通訳者を利用するか否か, 利用しない場合どのように対応しているかを明らかにすることを目的とした. 〔方法〕全国の保健所を対象に, 自記式調査票を郵送し, 記載を依頼した. 〔結果〕全491保健所中432保健所から回答を得た (回答率88.0%) . 外国出生結核患者の登録があった保健所の割合は, 県型保健所 (59.2%) と比較して区型 (100%, 95%信頼区間 [CI] : 85.2-100%) および市型 (88.2%, 95%CI : 78.1-94.8%) の保健所...

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Published in結核 Vol. 95; no. 2; pp. 41 - 46
Main Authors 永田容子, 高柳喜代子, 矢野亮佑, 沢田貴志, 森田直美, 村上邦仁子, 高崎仁
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本結核・非結核性抗酸菌症学会 15.03.2020
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ISSN0022-9776

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Summary:「要旨」 : 〔目的〕全国の保健所で外国出生結核患者 (潜在性結核感染症者を含む, 以下同じ) に支援する際, 医療通訳者を利用するか否か, 利用しない場合どのように対応しているかを明らかにすることを目的とした. 〔方法〕全国の保健所を対象に, 自記式調査票を郵送し, 記載を依頼した. 〔結果〕全491保健所中432保健所から回答を得た (回答率88.0%) . 外国出生結核患者の登録があった保健所の割合は, 県型保健所 (59.2%) と比較して区型 (100%, 95%信頼区間 [CI] : 85.2-100%) および市型 (88.2%, 95%CI : 78.1-94.8%) の保健所において統計学的有意に高かった. 医療通訳者利用は1809人中357人 (19.7%, 95%CI : 17.9-21.6%) , 通訳代行者利用は1809人中1067人 (59.0%, 95%CI : 56.7-61.3%) であった. 〔結論〕専門の医療通訳者を利用できていない実態が明らかとなった. 医療通訳派遣や電話通訳制度, それに対する公的支出制度の整備を早急に行う必要がある. これにより, 外国出生結核患者の対応に苦慮する事例を減少させることが期待される.
ISSN:0022-9776