臓器移植とFerroptosis

新規細胞死Ferroptosisは, コロンビア大学のStockwellらによって2012年に報告された制御された細胞死 (regulated cell death, RCD) であり, 近年注目を集めている. FerroptosisはRAS遺伝子変異を有する癌細胞を選択的に殺生する新たな低分子化合物をスクリーニングするプロジェクトの過程で見出された. Stockwellらは2つの新規化合物 (Erastin, RSL-3) よって生じる細胞死に注目し, RSL-3は細胞内のリン脂質ヒドロペルオキシドグルタチオンペルオキシダーゼ4 (GPX4) を直接阻害すること, Erastinはシスチン・...

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Published inOrgan Biology Vol. 27; no. 1; pp. 53 - 55
Main Authors 山田直也, 高橋将文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臓器保存生物医学会 10.01.2020
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Summary:新規細胞死Ferroptosisは, コロンビア大学のStockwellらによって2012年に報告された制御された細胞死 (regulated cell death, RCD) であり, 近年注目を集めている. FerroptosisはRAS遺伝子変異を有する癌細胞を選択的に殺生する新たな低分子化合物をスクリーニングするプロジェクトの過程で見出された. Stockwellらは2つの新規化合物 (Erastin, RSL-3) よって生じる細胞死に注目し, RSL-3は細胞内のリン脂質ヒドロペルオキシドグルタチオンペルオキシダーゼ4 (GPX4) を直接阻害すること, Erastinはシスチン・グルタミン酸トランスポーターであるsystem Xc-を阻害することで細胞内グルタチオン (GSH) の低下をきたし間接的にGPX4を阻害していることを見出した.
ISSN:1340-5152