ACD液加保存血に関する考察

ACD液加保存血の保存期間の延長を目的として, 酸素化赤血球還元グルタチオソ添加ACD液加保存血(O_2 GSH血と略)の研究を行なっている. ウサギ血液で, 2週間保存後の輸血後赤血球生存率(^^51 Crラベル法による)T1/2は, 従来の静脈採血ACD液加保存血(ACD血と略)の11日に比して, O_2 GSH血では, 20.5日と約2倍近い結果を得た. この生存率延長の理由として, Hbを酸化Hbまたは還元Hbの一方に片寄らせる時は, 保存期間中にHb同志の酸素の授受が行なわれ難いため, Hbの変性が起こり難いこと, 還元グルタチオンによる赤血球膜, 酵素, グロビンなどの-SH基の酸...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 18; no. 5/6; pp. 182 - 183
Main Authors 川田高俊, 遠山博
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.12.1971
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ISSN0546-1448

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Summary:ACD液加保存血の保存期間の延長を目的として, 酸素化赤血球還元グルタチオソ添加ACD液加保存血(O_2 GSH血と略)の研究を行なっている. ウサギ血液で, 2週間保存後の輸血後赤血球生存率(^^51 Crラベル法による)T1/2は, 従来の静脈採血ACD液加保存血(ACD血と略)の11日に比して, O_2 GSH血では, 20.5日と約2倍近い結果を得た. この生存率延長の理由として, Hbを酸化Hbまたは還元Hbの一方に片寄らせる時は, 保存期間中にHb同志の酸素の授受が行なわれ難いため, Hbの変性が起こり難いこと, 還元グルタチオンによる赤血球膜, 酵素, グロビンなどの-SH基の酸化防止作用を考えている. 今回は, それらの保存期間中における溶血と赤血球抵抗, および赤血球形態の変化について検索した結果を報告する.
ISSN:0546-1448