新生児・乳児の先天性大動脈弁狭窄症に対する経皮的大動脈弁形成術の麻酔管理

「要旨」 当院における先天性大動脈弁狭窄症(AS)に対する経皮的大動脈弁形成術(BVP)の麻酔管理を報告する. 日齢2から生後1カ月の3症例でいずれも経胸壁心臓超音波検査(TTE)で圧較差(PG)は50mmHg以上, 心内膜線維化や心筋肥厚を伴う重症例であった. 新生児・乳児のASに対するBVPの麻酔管理におけるポイントは, (1)循環変動が少ない麻酔薬での導入・維持, (2)適切な輸液負荷, (3)重症例では循環作動薬投与, (4)手技時の急激な血行動態の把握・評価, (5)施行直後の高血圧・頻脈の抑制, (6)術後早期の大動脈弁逆流(以下AR)の有無・心機能の評価である. 「緒言」 近年,...

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Published inCardiovascular Anesthesia Vol. 21; no. 1; pp. 43 - 46
Main Authors 渡辺朝香, 小幡向平, 奥山克巳
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心臓血管麻酔学会 01.08.2017
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Summary:「要旨」 当院における先天性大動脈弁狭窄症(AS)に対する経皮的大動脈弁形成術(BVP)の麻酔管理を報告する. 日齢2から生後1カ月の3症例でいずれも経胸壁心臓超音波検査(TTE)で圧較差(PG)は50mmHg以上, 心内膜線維化や心筋肥厚を伴う重症例であった. 新生児・乳児のASに対するBVPの麻酔管理におけるポイントは, (1)循環変動が少ない麻酔薬での導入・維持, (2)適切な輸液負荷, (3)重症例では循環作動薬投与, (4)手技時の急激な血行動態の把握・評価, (5)施行直後の高血圧・頻脈の抑制, (6)術後早期の大動脈弁逆流(以下AR)の有無・心機能の評価である. 「緒言」 近年, 国内でも小児の先天性ASに対してもカテーテル治療が選択されるが, 新生児症例に対する報告は少ない. 今回当院のBVPの麻酔管理について報告する.
ISSN:1342-9132