Streptococcus mutansによるう蝕活動性試験 - KKY testにおける予測性の検討

「緒言」 1940年以来, 広く臨床に応用されてきたSnyder testは, Lactobacilliをう蝕の主要原因菌であると考えられていた時代に考案されたものであり, 現代のう蝕の病因論には, すでに理論的一致をみないものとなってしまった. また, 従来から用いられている多くの試験法についても, う蝕が多因子性疾患であるという理由で, 単一の要因をとらえることの限界が指適されている. しかし, 微生物要因のうち, 最も強力な因子と考えられるStr. mutansをう蝕活動性試験の指標としてとらえようとする試みは, 以外に少なく, Fitzgeraldらによって, Str. mutansが...

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Published in神奈川歯学 Vol. 17; no. 4; pp. 536 - 542
Main Authors 河野知弘, 南野博行, 相原道男, 矢島康二, 藤原愛子, 金子信雄, 松原潔, 池沢雅人, 木下藤朗, 花形哲夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.03.1983
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Summary:「緒言」 1940年以来, 広く臨床に応用されてきたSnyder testは, Lactobacilliをう蝕の主要原因菌であると考えられていた時代に考案されたものであり, 現代のう蝕の病因論には, すでに理論的一致をみないものとなってしまった. また, 従来から用いられている多くの試験法についても, う蝕が多因子性疾患であるという理由で, 単一の要因をとらえることの限界が指適されている. しかし, 微生物要因のうち, 最も強力な因子と考えられるStr. mutansをう蝕活動性試験の指標としてとらえようとする試みは, 以外に少なく, Fitzgeraldらによって, Str. mutansがう蝕の主要原因菌であると証明されてからも, GoldらのMSB培地を用いたscreening testが考案されたのみである. 近年, 報告されたMSBB testも, 基本的には彼らの試験法と同一のもので, 操作性, 培地の安定性などの点で多くの改善点が残されている.
ISSN:0454-8302