肺葉切除後に気管・気管支に癌を発生した症例の検討

肺癌の再発様式として気管・気管支再発は稀であり, その際, 再発が二次癌かの鑑別も困難なことが多い. 末梢型肺癌にて肺葉切除施行後に, 気管もしくは主気管支に癌を発生し切除し得た3例を報告する. 症例1：23歳男性, 左上葉切除(pT1N0M0)後, 10年目に気管癌を発生し, 気管環状切除を施行した. 症例2：72歳男性, 左上葉切除(pT3N0M0)後, 3年目に気管癌を発生し, 気管環状切除を施行した. 症例3：62歳男性, 右下葉切除(pT2N0M0)後, 1年目に左主気管支癌を発生し, 気管支環状切除を施行した. 第1癌, 第2癌ともに症例1は, 腺癌, 症例2,3は扁平上皮癌と,...

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Published in気管支学 Vol. 18; no. 7; p. 731
Main Authors 坂田敬, 杉尾賢二, 西岡憲一, 塚本修一, 牛島千衣, 山崎宏司, 杉町圭蔵
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.11.1996
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Summary:肺癌の再発様式として気管・気管支再発は稀であり, その際, 再発が二次癌かの鑑別も困難なことが多い. 末梢型肺癌にて肺葉切除施行後に, 気管もしくは主気管支に癌を発生し切除し得た3例を報告する. 症例1：23歳男性, 左上葉切除(pT1N0M0)後, 10年目に気管癌を発生し, 気管環状切除を施行した. 症例2：72歳男性, 左上葉切除(pT3N0M0)後, 3年目に気管癌を発生し, 気管環状切除を施行した. 症例3：62歳男性, 右下葉切除(pT2N0M0)後, 1年目に左主気管支癌を発生し, 気管支環状切除を施行した. 第1癌, 第2癌ともに症例1は, 腺癌, 症例2,3は扁平上皮癌と, 同一組織型であった. 転移が2次癌かの判定のため, 突然変異・microsatellite解析等の遺伝子解析結果とその意義についてあわせて報告する.
ISSN:0287-2137