腺扁平上皮癌の組織型を呈した胆管細胞癌の1例

腺扁平上皮癌の組織型を呈した胆管細胞癌の1例を経験した.症例は72歳の女性.右季肋部痛,発熱あり近医にて胆石症,胆管炎疑われ当院紹介入院となる.炎症所見と胆道系酵素の上昇あり,また腹部CT検査にて肝S4~S5にかけて肝外に突出した周囲enhanceされるlow density massをみとめた.注腸造影検査では,肝弯曲部付近の結腸に浸潤が疑われた.腹部超音波検査では,肝床部に内部不均一な腫瘤像を認め,肝外に突出し結腸浸潤をきたした胆管細胞癌と診断した.開腹所見では,肝S4, S5中心に腫瘤を認め胆嚢,結腸,十二指腸へ浸潤を認めた.手術は,肝S4a, S5切除,結腸,十二指腸部分切除術施行した...

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 65; no. 5; pp. 1351 - 1355
Main Authors 酒井, 康孝, 北畠, 俊顕, 三上, 陽史, 行方, 浩二, 松本, 文夫, 津村, 秀憲
Format Journal Article
LanguageEnglish
Japanese
Published 日本臨床外科学会 25.05.2004
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ISSN1345-2843
1882-5133
DOI10.3919/jjsa.65.1351

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Summary:腺扁平上皮癌の組織型を呈した胆管細胞癌の1例を経験した.症例は72歳の女性.右季肋部痛,発熱あり近医にて胆石症,胆管炎疑われ当院紹介入院となる.炎症所見と胆道系酵素の上昇あり,また腹部CT検査にて肝S4~S5にかけて肝外に突出した周囲enhanceされるlow density massをみとめた.注腸造影検査では,肝弯曲部付近の結腸に浸潤が疑われた.腹部超音波検査では,肝床部に内部不均一な腫瘤像を認め,肝外に突出し結腸浸潤をきたした胆管細胞癌と診断した.開腹所見では,肝S4, S5中心に腫瘤を認め胆嚢,結腸,十二指腸へ浸潤を認めた.手術は,肝S4a, S5切除,結腸,十二指腸部分切除術施行した.病理組織学検査にて肝内胆管原発の腺扁平上皮癌と診断された.術後2カ月で残肝再発しその1カ月後に死亡した.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.65.1351