興味ある垂直注視麻痺を合併した両側性の傍正中視床・視床下部梗塞の1例

症例は71歳,男性.画像所見から両側性の傍正中視床・視床下部梗塞と診断した.責任血管として傍正中視床動脈が考えられた.本症例では下方への頭位変換眼球反射の欠如を伴う垂直注視麻痺が認められ,上方向は核上性麻痺,下方向は核性麻痺と考えられた.このため頭位変換によっても下方を見ることが出来ず,日常生活動作が著明に障害された.本症例は傍正中視床動脈の支配領域やその垂直眼球運動障害の発症機序を考える上で興味ある症例と考えられた....

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Published in日本内科学会雑誌 Vol. 85; no. 8; pp. 1301 - 1303
Main Authors 佐藤, 澄子, 山下, 順章, 棟田, 慎二郎, 松本, 勲, 小林, 卓正, 越智, 博文
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 一般社団法人 日本内科学会 10.08.1996
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ISSN0021-5384
1883-2083
DOI10.2169/naika.85.1301

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Summary:症例は71歳,男性.画像所見から両側性の傍正中視床・視床下部梗塞と診断した.責任血管として傍正中視床動脈が考えられた.本症例では下方への頭位変換眼球反射の欠如を伴う垂直注視麻痺が認められ,上方向は核上性麻痺,下方向は核性麻痺と考えられた.このため頭位変換によっても下方を見ることが出来ず,日常生活動作が著明に障害された.本症例は傍正中視床動脈の支配領域やその垂直眼球運動障害の発症機序を考える上で興味ある症例と考えられた.
ISSN:0021-5384
1883-2083
DOI:10.2169/naika.85.1301