腹腔内膿瘍を形成した小腸癌の1例

今回われわれは,管腔外発育をし,腹腔内に膿瘍を形成した空腸癌の1例を経験したので報告する. 症例は62歳,女性. 17歳で急性膵炎の手術既往あり,全身倦怠感を主訴に近医受診し,貧血と低蛋白血症を指摘され当院を紹介された.入院時,左上腹部に手拳大の腫瘤を触知し, CTで胃の背側,膵の腹側の内部にガス像を含んだ広範な嚢胞性腫瘤像と,肝両葉に多発転移巣を認めた.小腸造影,内視鏡等で空腸癌に合併した腹腔内膿瘍と診断し手術を施行した.稀な発育形態を呈した小腸癌の1例を経験したので報告する....

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Published in日本臨床外科学会雑誌 Vol. 63; no. 7; pp. 1713 - 1718
Main Authors 中村, 昌樹, 諏訪, 大八郎, 東, 幸宏
Format Journal Article
LanguageEnglish
Published 日本臨床外科学会 25.07.2002
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Summary:今回われわれは,管腔外発育をし,腹腔内に膿瘍を形成した空腸癌の1例を経験したので報告する. 症例は62歳,女性. 17歳で急性膵炎の手術既往あり,全身倦怠感を主訴に近医受診し,貧血と低蛋白血症を指摘され当院を紹介された.入院時,左上腹部に手拳大の腫瘤を触知し, CTで胃の背側,膵の腹側の内部にガス像を含んだ広範な嚢胞性腫瘤像と,肝両葉に多発転移巣を認めた.小腸造影,内視鏡等で空腸癌に合併した腹腔内膿瘍と診断し手術を施行した.稀な発育形態を呈した小腸癌の1例を経験したので報告する.
ISSN:1345-2843
1882-5133
DOI:10.3919/jjsa.63.1713