胸部食道癌の気道浸潤における気管支鏡所見の検討

食道癌の気道浸潤診断における気管支鏡の有用性を評価するため, 手術症例19例の気管支鏡と手術病理所見を比較検討した. 気管支鏡所見は谷村の分類に準じた. 結果は, I型1例, II型2例, IIIA型4例, IIIB型3例, IV型9例であった. 19例中5例にinduction therapyが行われ, I型1例, IIIA型2例がIV型となった. 病理学的浸潤を認めたのは, IIIA型1例, IIIB型2例, IV型1例で, induction therapyを行った5例に病理学的浸潤は認めなかった. 異常所見I, II, IIIを認めた6例中病理学的浸潤を認めたのは3例(50%)で, 診...

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Published in気管支学 Vol. 22; no. 1; p. 65
Main Authors 津田宏, 大塚浩史, 南憲司, 廣畑健, 原聡, 安富正幸
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本気管支学会 25.01.2000
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Summary:食道癌の気道浸潤診断における気管支鏡の有用性を評価するため, 手術症例19例の気管支鏡と手術病理所見を比較検討した. 気管支鏡所見は谷村の分類に準じた. 結果は, I型1例, II型2例, IIIA型4例, IIIB型3例, IV型9例であった. 19例中5例にinduction therapyが行われ, I型1例, IIIA型2例がIV型となった. 病理学的浸潤を認めたのは, IIIA型1例, IIIB型2例, IV型1例で, induction therapyを行った5例に病理学的浸潤は認めなかった. 異常所見I, II, IIIを認めた6例中病理学的浸潤を認めたのは3例(50%)で, 診断率は高いとは言えずCT, MRI等を組み合わせた診断が必要と考えられた. 一方, 正常所見IVであった12例中11例は病理学的にも浸潤を認めず(91.7%), またinduction therapy後の所見が正常化した症例では病理学的浸潤は認めず, 治療効果の判定に有用と考えられた.
ISSN:0287-2137